広島市原爆死没者慰霊式並びに平和祈念式(2022年8月6日)

· 日本C7

米国による広島への原子力爆弾投下から77年目を迎えた8月6日、広島市にて平和記念式典が開催され、松井一實・広島市長、岸田文雄・内閣総理大臣、湯崎英彦・広島県知事、広島市内の小学生2名、アントニオ・グテーレス国際連合事務総長がそれぞれ平和宣言や挨拶、平和の誓いを述べました。

それぞれの発言内容から来年のG7広島サミットに関連する部分を抜粋してご紹介します。

平和宣言

「今年初めに、核兵器保有5か国は「核戦争に勝者はなく、決して戦ってはならない」『NPT(核兵器不拡散条約)の義務を果たしていく』という声明を発表しました。それにもかかわらず、それを着実に履行しようとしないばかりか、核兵器を使う可能性を示唆した国があります。なぜなのでしょうか。今、核保有国がとるべき行動は、核兵器のない世界を夢物語にすることなく、その実現向け、国家間に信頼の橋を架け、一歩を踏み出すことであるはずです。核保有国の為政者は、こうした行動を決意するためにも、是非とも被爆地を訪れ、核兵器を使用した際の結末を直視すべきです。そして、国民の生命と財産を守るためには、核兵器を無くすこと以外に根本的な解決策は見いだせないことを確信していただきたい。とりわけ、来年、ここ広島で開催されるG7サミットに出席する為政者には、このことを強く期待します。」

2022年8月6日 広島市長 松井一實

広島市原爆死没者慰霊式並びに平和祈念式あいさつ

「そうした努力(*)の基礎となるのは核兵器不拡散条約(NPT)です。その運用検討会議が正に今、ニューヨークで行われています。私は、先日、日本の総理大臣として初めてこの会議に参加し、50年余りにわたり世界の平和と安全を支えてきたNPTを国際社会が結束して維持・強化していくべきである旨訴えてまいりました。

 来年は、この広島の地で、G7サミットを開催します。核兵器使用の惨禍を人類が二度と起こさないとの誓いを世界に示し、G7首脳と共に、平和のモニュメントの前で、平和と国際秩序、そして自由、民主主義、人権、法の支配といった普遍的な価値観を守るために結束していくことを確認したいと考えています。」

内閣総理大臣・岸田文雄

*引用者注:非核三原則を堅持しつつ、「厳しい安全保障環境」という「現実」を「核兵器のない世界」という「理想」に結びつける努力