【声明】2023年G7首脳会議に向けたCivil Society 7とLabour 7からの共同声明

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2023年4月22日(土)・23日(日)に岡山県で開催されるG7倉敷労働雇用大臣会合に先立ち、G7のエンゲージメント・グループであるCivil7(C7)とLabour7(L7)は、共同声明を発表しました。

人びとと地球を第一に考え、平和と国際協力を醸成し、職場での基本原則と人権を含む人権を守り、保障するために、具体的な行動をとることをG7首脳に対して要請しています。

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2023年G7首脳会議に向けたCivil Society 7とLabour 7からの共同声明

2023年4月21日

 世界は前例のない課題に直面している。ロシアによるウクライナへの侵攻、新型コロナウイルス感染症による長引く影響、デジタル化、気候変動の加速化に象徴されるように、地政学的、経済的、社会的に不安定な時代となっている。現在起こっている世界経済の低迷、インフレーション、生活費の高騰は、最も貧しい人、最も弱い立場にいる人、脆弱な人たちに最も大きな影響を与えている。G7各国を含む国家間そして国の中で不均衡が高まり、よりよい未来への希望が失われていることによって、信頼、社会的な結束、民主主義社会の根幹が試されている。

 このような状況において、Civil Society 7(C7)と Labour 7(L7)は声をひとつにして、人びとと地球を第一に考え、平和と国際協力を醸成し、職場での基本原則と人権を含む人権を守り、保障するために、具体的な行動をとることをG7首脳に対して要請する。気候変動に対する取り組みと社会正義は、現在起こっている危機へのG7の対応の礎とすべきである。

 社会的保護への投資は、人びとを危機から守り、影響を緩和し、そして不均衡を削減するカーボン・ニュートラルな経済への公正な移行のために急務である。すべての人に社会的保護を提供することは、経済活動を活性化しつつ、基本的人権の保障、回復力のある包括的な労働市場を保障するために肝要である。社会的保護のための世界基金は、セーフティーネット構築と社会保護システム強化のために他にはない優れた手段となりうる。

 C7とL7は、人びとが安全に働き、人間らしい生活ができる環境創出にコミットすることをG7に対して強く求める。働いているにもかかわらず貧困状態である人たちが、過去数十年間のうち初めて増加に転じた。G7首脳に対して、賃金引上げを支持し、すべての労働者が公正な賃金と適切な労働条件で働けるための手段として団体交渉を促進するように要請する。国家は、国際労働機関(ILO)の中核的労働基準、強制労働条約の議定書、国連ビジネスと人権に関する指導原則に則り、労働者の権利を含む基本的人権尊重を保障する義務がある。

 しかしながら、現行の国際的な法的枠組みは、現状の課題やグローバル・サプライチェーンにおける人権侵害に対して十分な対応が行えるものではない。G7各国に対して、責任の強化、拘束力があり義務を伴う人権デュー・デリジェンスの基準採択を積極的に推進するように強く求める。このような手段は、自国だけでなく世界中にビジネスを展開している国々において、脆弱な立場の労働者を搾取から守り、責任あるビジネス慣行と適切な救済策を促進するために重要である。

 特に、持続可能な開発目標(SDG)8、ターゲット7に掲げられている、2025年までの児童労働の撤廃、および 2030年までの強制労働、現代奴隷、人身取引の撤廃のために、即時かつ具体的な取り組みを行うこと、そして進捗状況のモニタリングと評価の強化をG7首脳に対して要請する。世界の児童労働者数は1億6000万人超に達し、主にアフリカと農業において増加している。強制労働の被害者の 12%が子どもである。子どもは、経済、気候、保健、人道の危機に過度な影響を受け、子ども兵、強制労働、強制結婚、性的搾取、人身取引など危険有害労働に巻き込まれるリスクがより高い。

 2021年と2022年のG7首脳宣言では、グローバル・サプライチェーンにおいて政府主導の強制労働を含むあらゆる形態の児童労働と強制労働の撤廃に取り組むというコミットメントが示されている。G7首脳が、児童労働と強制労働をなくすための規制の枠組みと、輸入規制、貿易協定、公共調達政策を含む方策を通じた実施メカニズムをつくることを要請する。

 また、すべてのG7加盟国が児童労働撤廃のための国家行動計画を作成することを要請する。これは、最悪の形態の児童労働条約(ILO第182号)で求められており、児童労働撤廃のためのダーバン行動要請においても支持されている。G7各国がAlliance 8.7のパートナーやパスファインダー国になることも要請する。さらに、労働基準監督や関連する他の政府機関の能力強化のための技術支援プロジェクトを含む、開発途上国への支援を強く求める。コレクティブ・アクション、セクター・エリアベースアプローチが、児童労働と強制労働を撤廃するための鍵を握っている。

 今年広島で開催されるG7首脳会議は、象徴的な集まりを超えたものとし、この機会を活用して、平和、気候変動への対策、持続可能な経済成長、回復力のある包括的な労働市場、質の高い雇用、すべての人に働きがいのある人間らしい仕事の提供を促進するために、過去のコミットメントすべてを実行に移す時である。G7各国の市民社会と労働組合の代表であるC7とL7は、これらの目標達成のためにG7と協働していく所存であることを表明する。