【参加報告】イタリアC7サミット(2024.5.14-15)

· 活動報告,イタリアC7

2024年5月14日(火)・15日(水)にイタリア・ローマにある国連食糧農業機関(FAO)本部にてイタリアC7サミットが開催されました。

C7(Civil7:市民社会)は、G7の公式エンゲージメントグループ(国際社会において各国政府から独立した立場のステークホルダーにより形成される団体)の一つとして、G7との対話、政策提言、共同声明の発表などの活動を行っています。C7サミットでは、気候・環境、経済、国際保健、人道支援、平和、人の移動、食料システムなどの分野別ワーキンググループが作成した政策提言書を発表し、G7の代表に届けられました。

昨年のG7広島サミットでの活動に続き、日本の市民社会の声をG7および世界の市民社会に届けるべく、有坂美紀(G7/Earth day オープンフォーラム北海道 代表/RCE北海道道央圏協議会 事務局長/北海道NGOネットワーク協議会 事務局長)、稲場雅紀(アフリカ日本協議会 共同代表)、高橋悠太一般社団法人かたわら 代表理事/カクワカ広島 共同代表)堀内葵(国際協力NGOセンター シニアアドボカシーオフィサー)の4名が参加しました。

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(写真:左から、有坂美紀、高橋悠太、稲場雅紀、堀内葵)

「C7政策提言書2024」のダウンロードはこちらから。

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●C7紹介動画はこちら(1:58)。

●C7サミット2024の様子を2分間にまとめた動画はこちら(2:05)。

前日の5月13日(月)にはローマから生中継イベントを開催し、C7サミットや政策提言書の紹介を行いました。

●【5/13】C7サミット2024開催直前!ローマから生中継!G7に市民社会の声を届けよう

C7サミットには、世界中の市民社会組織から400人が事前登録をしており、昨年のG7広島サミットに向けて活動した方々をはじめ、久々の再会を喜び合う姿が見られました。オープニングセッションでは、C7シェルパを務めるヴァレリア・エンミ氏が700人以上の市民社会関係者による作業を経て作成されたC7政策提言書(コミュニケ)を発表し、「G7は人権を守るという責任があり、市民社会として連帯を持って求めていく。持続可能な開発のためにはパラダイム転換が必要であり、複合的な危機にある現在、普段通りの仕事をしている猶予はない」と語りました。

C7政策提言書を受け取ったG7シェルパを務めるエリザベッタ・ベローニ氏は、「G7議長国として、グローバルサウス、特にアフリカ諸国と緊密に連携していく。この議長国期間はパートナーと対話をする良い機会だと捉え、世界中からの要請や期待に対してG7は開かれている」と応答しました。

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(写真:イタリアG7シェルパにC7政策提言書を手渡すC7運営委員)

初日のランチタイムに、日本から参加したメンバーで簡単な報告を行いました。以下からアーカイブ動画をご視聴いただけます。

●C7配信「C7イタリア2024 1日目が始まりました」

午後には、中東和平、人の移動と気候の連関、食料正義、身体の自律性に関する分科会が開催されました。多様な声を互いに聞き、G7諸国に届けるための方策が話し合われました。

C7サミット2日目は、債務、開発資金、国際課税などの経済課題に関する全体会が開催され、イタリア政府の財務トラック担当者は「G7財務トラックはG20と連携しており、課税は気候の移行に効果的であり、また、国際課税によって不平等を克服することも優先的に行う」と述べました。

また、登壇者からは「税金を植民地主義から解放するには、G20議長を務めるブラジル政府が提案している通り、超富裕層への課税を強化したり、実体経済にトリクルダウンするのことのない資本市場での取引に課税することだ」と述べられ、G7だけではなく、より幅広い国が参加するG20に対する政策提言を継続することの重要性が話し合われました。

続いて、気候正義、核兵器廃絶、人道支援、国際保健に関する分科会が開催されました。核兵器廃絶の分科会では高橋裕太(かたわら / カクワカ広島)が登壇しました。この分科会では、地元ローマの大学生が多数参加していたのが印象的でした。

この分科会の後に設けられたコーヒーブレイクの時間に、核兵器廃絶セッションに登壇した高橋裕太とイタリアの核兵器廃絶団体である「Senzatomica」のアレッシア・トラマ氏に登壇いただく生中継イベントも開催しました。アーカイブ動画はこちらから。

●C7中継Day2 分科会が開催されました / 「核兵器廃絶」分科会に登壇したゲストと考えます

C7サミット2日目を締めくくる全体会では、平和に焦点が当てられ、イタリア司教協議会会長のマッテオ・ズッピ枢機卿から「決して他者と対立するのではなく、また、他者を除け者にするのではなく、我々全員が平和の構築者とならなければならない」との力強いメッセージが寄せられました。

C7サミットの開催にあたり、イタリアの市民社会の資金確保に苦労したと聞いていますが、最終的には国連やドナーからの支援もあり、昨年と同様の規模での開催が実現しました。全体会へのG7担当者の登壇は昨年よりも増え、また、市民社会だけではなく、他のエンゲージメントグループや大学生など、多様な参加者も集まり、深い議論が行われました。

来年(2025年)の議長国を務めるカナダのネットワークNGO「Cooperation Canada」の担当者とも今後の連携について打ち合わせをすることができました。また、昨年からC7に関わってきた方々や、各ワーキンググループのコーディネーター、各国のCSOプラットフォームからの参加者と対面でお会いし、さまざまな意見交換を行うことができたことも大きな収穫でした。

クラウドファンディングに協力してくださった方向けの報告会を6月以降に開催するべく準備を進めています。引き続き、活動へのご支援も受け付けておりますので、よろしければ下記リンクからお願いいたします。

G7サミットに日本の市民社会の声を届けるプロジェクト

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また、C7サミットに前後して、参加者へのインタビューや紹介記事が各メディアに掲載されましたので併せて紹介いたします。

【メディア掲載】札幌の有坂さん「市民社会サミット」参加 北海道内からは初 14、15日にローマで開催(北海道新聞)

【メディア掲載】G7広島サミットから1年 核兵器を巡る現状は 若い世代に聞く(毎日新聞)

【メディア掲載】広島G7サミットが残したものは 開催から1年、「記念館」オープン(朝日新聞)

【メディア掲載】核廃絶願い、つながる市民 政策提言や催し今年も【広島サミットから1年】③(中国新聞)

 

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(写真:左から、高橋悠太、C7シェルパを務めるヴァレリア・エンミ氏、堀内葵)

 

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(写真:左から、Senzatomicaアレッシア・トラマ氏、International Peace Bureauエミリー・モリナーリ氏、Rete Italiana Pace e Disarmoフランチェスコ・ヴィナルカ氏、高橋悠太)

 

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(写真:左から、高橋悠太、Senzatomicaアレッシア・トラマ氏、有坂美紀、堀内葵)