G7労働と雇用:人権と福祉を保障するための具体的な措置を今すぐ講じよ

· イタリアC7,活動報告
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9月12日(木)から13日(金)にかけて、イタリア・カリアリでG7労働雇用大臣会合が開催され、大臣宣言が採択されました。日本政府(厚生労働省)による報道発表はこちらをご参照ください。

大臣宣言の骨子は以下のとおりです。

(1)仕事の世界におけるAIの人間中心の開発と利用

(2)高齢社会における強靭な労働市場

(3)柔軟で包括的なスキルと生涯学習施策システム

(4)包摂的な労働市場と安全で健康的な労働環境の推進

 

労働雇用大臣の閉幕に際し、C7は以下の声明を発表しました。日本語訳を付して紹介します。

G7労働と雇用:人権と福祉を保証するための具体的な措置を今すぐ講じよ

市民社会の関与により、影響と課題が明確に

カリアリ、9月13日

労働市場および社会保障にとって世界的に重要な局面において、自国およびパートナー諸国において質の高い雇用と福祉を促進するために、G7諸国が直面しなければならない課題を過去にも増して明確に示した最終声明である。しかし、市民社会として、私たちが先延ばしにはできないと信じている、公正な生態学的・社会的移行に向けた具体的なステップがいま必要である。

イタリア議長下でのG7労働・雇用(訳注:大臣会合)の終了にあたって、労働大臣が選んだ代表団や各国政府との対話に市民社会が他の構成員と同様に全面的に関与することで、より深く共有された分析、人々の権利を保護するための具体的な提案や代替案の策定、そして共有された公共政策のより創造的な次元を可能にする、と私たちは確信した。

その一例として、私たちは、高齢者の公的生活への全面的な参加を求める組織化された市民の行動を思い起こす。また、市民経済、社会経済、連帯経済、フェアトレード、循環型経済、変革型経済、ケアを中心とする経済、広範な福祉、人間の労働と技術の均衡がとれた価値付けなど、公正な移行に向けた地域活性化の具体的な実践を思い起こす。

まさに後者について、私たちは、人工知能の人間中心の発展のためのG7行動計画で提案されていることを高く評価する。デジタル技術やプラットフォーム、AI、そして、それらが生み出すデータの参加型ガバナンスを促進すること、また、開発や展開前に労働者や労働組合を含めて技術を評価するメカニズムが極めて重要である。アルゴリズムの透明性と説明責任を確保することは、実際のところ、不平等や差別に対処し、それらを回避するための基本である。しかし、規則や法律の強化も必要であり、カリアリの行動計画が評価できる意思表明にとどまることなく、具体的な現実となるよう、今後は各国による具体的な行動が求められる。

この問題に関しては、他の問題と同様に、G7はそのすべての行動を人権の枠組みに固定し、国内では人権の完全な尊重を保障し、国外では労働と雇用の保護に責任を負う多国間の枠組みの強化に貢献する義務がある。

このため、我々は、G7に対し、不平等と闘い、気候正義、ジェンダー平等の待遇、すべての人のためのディーセント・ワークを保障することのできる世界的な公正な移行を促進するため、合意の構築と国連という多国間スペースの強化において具体的かつ野心的な役割を果たすよう、より一般的な呼びかけを改めて行う。

G7は、経済的に最も豊かな国の利益を一方的に促進するのであれば、問題の一部となりうるし、より平和で公正、持続可能で安全な世界のために人権と人類と地球の共通の利益を擁護するのであれば、解決策の一部となりうる。

Civil7からのプレスリリース

連絡先:メール communications@civil7.org / 電話:349 38 95 41