【開催報告】

「G7市民社会コアリション2023」

設立総会 & 情報交換会

2023年のG7サミット日本開催に向けた市民社会の活動を後押し

· 活動報告,イベント,ドイツC7

2022年5月10日(火)、国際協力NGOセンター(以下、JANIC)とSDGs市民社会ネットワーク(以下、SDGsジャパン)が呼びかけ、2023年に日本で開催されるG7サミットに向けた市民社会のプラットフォーム「G7市民社会コアリション2023」の設立総会をオンラインで開催しました。

G7市民社会コアリション2023」の目的は、日本で活動する市民社会組織(CSO)、NGO、 NPOおよび賛同する個人の皆さんとともに、国外の団体と協力してG7首脳に声を届けることにあります。設立総会は、開催時点で72の団体会員および17名の個人会員にお申し込みいただき、66団体と6名にご出席いただきました(委任状の提出含む)

開会挨拶では、大橋正明・SDGsジャパン共同代表理事が、コロナ禍ならびにウクライナ危機においてSDGsの達成が脅かされ、脆弱な人々がますます取り残されうることを指摘するとともに、日本を含むG7諸国が団結してロシアへの対応を行っており、そのG7に市民社会の声を反映させることが極めで重要である、と述べました。

続いて、新田英理子・SDGsジャパン事務局長から、団体会員として申し込んだ72団体のうち、66団体が出席または委任状を提出し、団体会員の過半数に達しているため、規約案第7条の規定により、本日の設立総会は成立している旨の案内を行いました。また、若林秀樹・JANIC理事が議長に立候補され、議題の確認がなされました。

まず、1号議案「G7市民社会コアリションの規約の承認」について、堀内葵・JANICシニア・アドボカシー・オフィサーから、規約案およびその変更点に関する説明がありました。また、G7・C7と「G7市民社会コアリション2023」との関係、および今後のスケジュールが共有されました。質疑応答を経て規約案が修正され、登録72団体のうち65団体の賛成(議長委任含む)をもって本規約が承認されました。

●規約はこちら

●当日の配布資料はこちら

*PDFファイルが開けない場合は共同事務局までご連絡ください。

<規約案の変更点>

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 <G7・C7・「G7市民社会コアリション」の関係> 

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次に、2号議案「G7市民社会コアリション幹事団体の選出」について、引き続きJANIC堀内葵から、現在12団体が立候補を表明している旨説明がありました。続いて各団体の代表者から一言ずつ、「G7市民社会コアリション2023」での活動へ向けた決意表明をいただきました。登録72団体のうち、65団体からの賛成または議長委任があり、出席した団体会員の過半数に達したことから、幹事団体が承認されました。

<幹事団体一覧>

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1号議案・2号議案ともに承認されたところで、最後に2023年のG7首脳会合の開催候補地である広島・愛知・福岡の市民団体より、コアリション参加にあたっての意気込みについてご発言いただきました。

最後に議長のJANIC若林秀樹より、2022年5月4・5日にドイツで開催されたC7サミットの場でショルツ首相が市民社会の声を取り入れると断言したことが共有され、来年G7の議長となる日本の首相に対して後押しとなるような活動を本会でしていきたい旨、決意表明がありました。

設立総会に続いて情報交換会を開催し、ドイツC7サミットの報告、日本政府によるG7の準備状況、ならびにインドネシアC20の進捗報告を行いました。

【ドイツC7の報告】

2022年5月4・5日にドイツで開催されたC7サミットの概要、ならびにG7議長に提出された政策提言書の紹介を行いました。

初めに、ドイツC7サミットの運営委員を務めるアジア太平洋資料センター(PARC)内田聖子・共同代表より、C7サミットの概要を共有いただきました。ドイツの市民社会は時間がない中で作業をしていたが、日本では2023年の約1年前に「G7市民社会コアリション2023」が設立されたことの意義が示されたとともに、C7の目的は市民社会の声をG7に届けることにある一方、G7は法的・制度的根拠に基づかないフォーラムであり、今後どのように国際的な合意形成を行っていくべきかを考える必要性が述べられました。

次にドイツC7各ワーキンググループの関係者から、政策提言書の内容とその背景について、抜粋してご紹介いただきました。

C7気候・環境正義ワーキンググループ(JACSES・遠藤理紗)

G7首脳への提言:①公平な化石燃料の段階的廃止と公正な移行の確保、②気候変動の影響への対処、③生態系の保全・回復、④持続可能な食糧システムの確保。

C7国際保健ワーキンググループ(GII/IDI懇談会NGO連絡会・稲場雅紀)

G7首脳への提言:①パンデミックに関する公正・公平で普遍的な保健医療アクセス、②既存の保健課題への取り組みへの再コミットメント(UHC、パンデミック対策、感染症・非感染症、医薬品へのアクセス、保健への資金拡大)。

C7人道支援と紛争ワーキンググループ(CWS Japan・小美野剛)

G7首脳への提言:①人道支援のニーズ削減、②国際人道法順守の強化、③原則的な人道的対応を可能にし、実施する、④資金調達の量と質を高め、地元アクターへの支援を優先させる、語すべてのコミットメントに対して、自分自身とお互いに責任を持つ。

C7経済の公正と変革ワーキンググループ(PARC・内田聖子)

G7首脳への提言:①債務危機への対応、②開発途上国の緊急的な資金需要に応えること、③税収の確保、④変革的な開発資金を積極的に推進すること、⑤民間資金による負の影響の是正と阻止。

C7開かれた社会ワーキンググループ(JANIC・堀内葵)

G7首脳への提言:「市民社会スペース推進タスクフォース」の設置、G7エルマウ・コミュニケおよび今後のサミットの成果文書の一部として、改定版「開かれた社会宣言」を採択すること、G7「開かれた社会」宣言のコミットメントを国内外で実施すること。

今年のドイツC7では、政策提言書を1ページ以内に納めるよう各ワーキンググループに対して事務局から指示がありました。コンパクトな提言を首脳たちに届けるためです。しかし、情報交換会の参加者からは、世界が抱える課題を市民社会全体に分かりやすく伝えるためには、ページ数の指定を設けないほうが良いのではないか、という意見が出されました。また、国際的には重視されているが日本でなじみのないコンセプト(例:脱植民地化、ワンヘルスなど)をどう組み込んでいくかが来年の課題になるだろう、との指摘がなされました。

【日本のG7準備状況】

JANIC堀内葵より、日本政府によるG7の準備状況が共有されました。これまでの報道によると開催候補地は広島が有力であること、開催地が決まり次第、地域の市民社会と協働していきたいこと、今後、コアリションの幹事団体を中心に外務省を訪問し、情報収集をしていくことが説明されました。

【インドネシアC20の進捗報告】

最後に、JANIC堀内葵より、インドネシアが議長国を務めるG20サミットに対する市民社会の提言活動の枠組みである「C20」について説明がありました。C20のキックオフミーティングが2022年3月に開催されたこと、C20インドネシアの活動原則、横断的課題、7つのワーキンググループ、スケジュールが紹介されました。

<C20インドネシアに設置されたワーキンググループ一覧>

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●C20インドネシアに関する詳細はこちら

G7サミットに対する市民社会の活動スケジュールは以下を予定しています。

ぜひ多くの市民社会関係者にコアリションに参加していただければ幸いです。

2022年

6月頃 「G7市民社会コアリション」設立記念イベント開催・日本での首脳会合の開催都市決定(予定)

6月28・29日 ドイツG7首脳会合開催(後半)

7月以降 ドイツC7からの引き継ぎ

2023年

1月 日本C7プロセス開始、WGへの登録開始、キックオフ会議開催

2-4月 日本C7各ワーキンググループで議論開始、政策提言書の作成

5月(仮) 日本C7サミット開催

6月(仮) 日本G7首脳会合開催・「市民社会サミット」開催(開催地未定)

7月以降 次回開催国(イタリア)市民社会への引き継ぎ

G7市民社会コアリション2023」に関するお問い合わせは、共同事務局までご連絡ください。

特定非営利活動法人 国際協力NGOセンター janic-advocacy [@] janic.org(堀内)

一般社団法人 SDGs市民社会ネットワーク g7-2023 [@] sdgs-japan.net-2023 [@] sdgs-japan.net-japan.net